2005年07月04日

混迷の世の中をとらえる本

・・というとおおげさですが、このところたくさんの本を読んでいる中で
ためになったというか、勉強になったうえで考えさせられた本を紹介します。
 
最初に読んだのは、
 


仕事のなかの曖昧な不安―揺れる若年の現在

若者に職がなく、フリーターやパラサイト・シングルが社会問題とされている
けれども、その本質は、働く意欲の低下ではなく、中高年の雇用維持にある、
ということをデータを使いながら説明しています。
社会の構造が問題であることを示しているのですが、最後に、若い世代に向けて
のメッセージなどもあり、著者の玄田さんの思いが、伝わってきます。
入院中に、大学時代の友人が贈ってくれた本ですが、ようやくしっかりと読み
とおすことができました。


で、その流れで


希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く


を読みました。
著者の山田さんは、たしか学生時代に教育学部で授業を受けた記憶もうっすらと
あるのですが、「パラサイト・シングル」といい「希望格差社会」といい、
ネーミングのセンスがどこかで絶賛されていたように、わかりやすく説明すること
にとても長けているのだと思います。文章も、学者が書いたのにとてもわかり
やすく書いてあり読みやすい。
1998年を境に、日本社会が閉塞感を加速させたと言うのですが、経済成長の鈍化
だけでなく、今まで考えられなかった犯罪の発生など、感覚的にとらえてもなんと
なく納得できる気がします。
将来に希望が持てる人と絶望する人に分裂する「希望格差社会」を、「リスク化」
と「二極化」というコトバを使って、わかりやすく説明しています。


で、そのあとに


ニート―フリーターでもなく失業者でもなく

を読みました。
著者は玄田さんと曲沼さんというライターの方。ニートについては、誰もが
なりうる、という前提で各章が書かれています。ニートの全体像をとらえる、
というよりはいろんなケースや背景を丁寧に追った、という形の内容です。
その中でも、14歳の時点で1週間社会での就業体験を持たせることがひとつ
の前向きな対処法として、富山と兵庫のケースが紹介されていて、興味を
覚えました。

大学時代に教育社会学を学んだので、もっともっとフリーター、パラサイト・
シングル、ニートといった状況に敏感になっていても良かったのかもしれません。
今回、まとめてこれらの本を読む時間を得たことで、ちょっとだけ学生時代を
思い出しつつ、それでも現在から未来について考えずにはいられませんでした。

これらの著者のみなさんは基本的に社会学の手法(統計調査)などデータを駆使
して現状をとらえていますが、それだけに、現在のニートやフリーターの問題
が意識や意欲の低下だけでは説明し切れず、社会構造とか世の中の流れが生み出
したゆがみみたいなものを感じてしまいます。



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 こんばんは。今日は、玄田有史氏の『仕事のなかの曖昧な不安 揺れる若年の現在』(中公文庫、2005年、単行本版は2001年)を読んで、私が考えたことを書きたいと思います。  まず玄田氏は、何が原因なのか、一体どうなるのか、よくわからないという曖昧な不安が、働くとい...
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